中学生にとって勉強は好きでない子のほうが多いですが(というよりも好きな子を探すほうが難しいくらいですが)、中学生の1日の勉強時間の平均はどのくらいで、理想で言えばどのくらい勉強をしたら良いかはご存知でしょうか?

また、宿題や課題をやる時間は勉強時間と言えるのでしょうか?

中学生の勉強時間の平均と理想的な時間とは?

中学生の勉強時間の平均

学校によって違いはあるとは思いますが、大手教育関連企業であるベネッセの調査によれば、

中学生の勉強時間の平均は1日2時間半!

と言うことです。

 

このデータをご覧になられてどう思われましたか?

「意外と勉強しているな」

という感想が多くないでしょうか。

 

あなたのお子様と比べてみていかがでしょうか。

「うちの子はもっと少ない」

と思われる方も多いと思います。

 

しかし、データはデータに過ぎず、どう解釈するかが問題です。

 

この2時間半というデータはベネッセのデータですから、全国平均と考えればかなり正確なデータだと思われます。

しかし、あくまでも「中学生の勉強時間の平均」ですから、中学1年生から中学3年生まですべての中学生の平均です。従って1年生はこれより少ないでしょうし、3年生は多くなっているはずです。

 

さらに、この勉強時間には学校の宿題や課題をやる時間も含めていると思われます。

 

最近では宿題を一切出さない中学校も増えてきましたが、逆に昔以上に多くの宿題や課題を出す中学校もあります。

ですので、宿題の多い学校の場合は、ほとんどの中学生の勉強時間は2時間以上ありますが、その大半は宿題をやるための時間でしかありません。

中学生の勉強時間の理想的な時間は?

平均はあくまでも平均でしかありませんから、それでは理想で言えば中学生は何時間勉強したら良いのでしょうか?

これは何を以て理想とするかにもよるのですが、文部科学省が推奨する勉強時間は昔から変わらず以下の通りです。

 

中学生の理想の勉強時間は1日あたり(学年の数+1)時間です。

 

つまり、1年生ならば1+1で2時間、2年生ならば2+1で3時間、3年生ならば3+1で4時間ということです。

そしてこの勉強時間には宿題などをやる時間を含めないとしています。

 

しかし、この勉強時間は本当に理想なのでしょうか。

単に文科省が主張しているだけですからねえ。

中学生の勉強時間の平均と理想的な時間を知ることに意味はあるのか?

ここまでお伝えしておいて今さらな質問ですが、中学生の勉強時間について、その平均や理想を知る必要はあるのでしょうか? それを知ることに何の意味があるのでしょうか?

 

私自身はこれらの数字にあまり意味がないと考えています。

 

もちろん、まったく無いとは言いません。

中学生は人前では、と言うか友達同士では照れなのか見栄なのか、あるいは牽制なのか「勉強していない」と言うことが多いですから、それを鵜呑みにして「みんな勉強していないから」と自分も勉強しなければ成績は上がりません(下がってしまいますね)から、実は皆結構勉強しているという事実を知ることが刺激になるならば良いでしょう。

あるいは、理想の勉強時間を知った上で、それを目指すひとつの目標として頑張るのも悪くないとは思います。

 

しかしデータは所詮数字に過ぎず、数字は嘘をつきませんが、人は数字を使ってウソを言います(正しくは詭弁と言えば良いでしょうか)し、数字の解釈を誤れば間違った結論を導き出しかねません。

 

まず、上記の平均時間について考えて頂きたいのですが、平均はあくまでも平均です。

平均値の求め方は中学で習った通りです。

 

仮に3人の中学生がいるとして、そのうち1人の勉強時間は1日6時間だったとしましょう。

ところが、残り2人はまったく勉強をしていないとしたら、この3人の勉強時間の平均は何時間ですか?

 

答えは2時間ですよね。これでも2時間もの時間になってしまいます。

 

実際の中学生もこれに近い状況というのが実情ではないかと思います。

勉強する子は非常に長時間勉強し、勉強しない子はほとんどしなかったり、まったくしなかったり。

そして平均すれば1日約2時間半という数字が出ているに過ぎないと。

 

だからこそ、学年順位はなかなか入れ替わりが起こらないとも言えるのです。

50位以内に入っている子は50位から落ちることはあまりありません。

逆に50位以内に入っていない子は、なかなか50位以内に入れないものです。

 

つまり、勉強時間にはかなり格差があるのが実態ではないでしょうか。

 

しかし、だとしても、それも結論から言えばどうでも良いこととも言えます。

本当に理想的な中学生の勉強時間とは?

先にお伝えした理想の時間は文部科学省が推奨している時間ですが、本当のところ1日何時間が理想なのでしょうか?

 

もちろん、目指す高校や目指す順位によって必要な時間は違うでしょうが、それならば、あなたのお子様にとっての理想的な勉強時間は1日何時間だと思いますか?

 

私は理想的な勉強時間は何時間と決めることよりも、「出来る限り短時間」にすることだと思っています。

 

考えてもみて下さい。

長時間の勉強をしたことを褒められたり認められたりするのは学生のうちだけですよね。

 

中学生の場合は、1日1時間の勉強時間よりも1日6時間の勉強をしたほうが、まず間違いなく「よく頑張った」と褒めてもらえます。もちろん、成績という成果が伴ってのことではありますが。

1日6時間も勉強しているのに、成績がぜんぜん伸びなければ心配されますが、そのようなケースはまず無いので、ふつうはたくさん勉強すればするほど教師には褒められるものです。

 

ところが、社会に出たらそうはいきませんね。

 

大事なのは何時間働いたか? どれだけ頑張ったか? よりも結果です。

もちろん仕事も頑張ることは大事だと思いますし、労働時間の大半を手を抜いて要領よく結果だけを出すのもどうかとは思いますが、社会ではいかに短い時間でより良い成果を上げるかが一番重要ですよね。

 

中学生も同じではないでしょうか。

 

目標を仮に学年順位で決めるならば、50位以内が目標であれば、1日4時間で50位以内に入れるよりも、1日2時間で入れることを目指したほうが将来的にも価値があると思いますし、中学生本人も楽ですし、空いた2時間を他のやりたいことや中学生のうちにしかできないことに使ったほうが良いと思います。

 

ですので、目標が達成できるという前提で、より短い勉強時間を目指すことが理想であると考えるわけです。

 

無駄を省き、効率を上げることで勉強時間も時短は可能です。

ちなみに、私のように勉強に不向きで勉強ができなかった中学生でしたが、中学校3年生になって学年1位になるために勉強をした時間は実は1日2時間程度した。

 

後から同じ高校へ進学した同級生たちが私の倍以上勉強時間を取っていたことを知って驚いたものです。

 

私でさえも2時間でできましたから、私よりも勉強に向く中学生ならば、もっと短い時間でも学年1位を狙うことは可能だと思います。