それでは、記憶力を上げる方法として具体的な中学生の勉強法をお伝えしますが、まだ前の記事の理論編をお読みでない方は、先に理論編をお読みになってから今回の勉強法をお読み下さい。

記憶力を上げる方法の理論編

今回お伝えする方法は非常に簡単な方法ですが、とても強力な手段でもあります。

記憶力を上げる方法 勉強法編

ただし、いくら強力な方法と言っても記憶力を上げるには時間がかかることはどうしようもありません。

記憶力を上げるのは簡単だが時間がかかる

記憶力を上げることにおいて一番の難点は時間がかかるということです。

どのような方法を使うにしてもそれは変わりません。

 

だからこそ、勉強のできる子たちはアドバンテージを保てる(有利な状態を保てる)わけですが、勉強ができる子たちがアドバンテージを保ち、勉強ができない子がなかなか追いつけないのは、記憶力を上げることが難しいからではなく、時間がかかるために途中であきらめてしまうからに他なりません。

 

ですから、非常に簡単な勉強法で無理なく記憶力を上げる方法を続けることで確実に記憶力はアップしますし、時間がかかると言っても早い子で2ヶ月ほど、遅い子でも半年もあればかなり記憶力を上げることは可能です。

わずかそれほどの期間(時間)です。

成績アップのための別の勉強法も必要

早ければ2ヶ月ほど、遅くとも半年程度というわずかな期間とは言え、この期間は中学生にとっては非常に長い期間となります。

これはご想像いただけばすぐにおわかりですね。

勉強を頑張っているにもかかわらず、その成果が出るのが2ヶ月後とか6ヶ月後となった場合、どれだけの子が耐えられるでしょうか。

大人でも仕事の成果が出るのが3ヶ月後となれば挫折する方が多いのではないでしょうか。

 

だからこそ、勉強法は記憶力をアップさせる勉強法だけでなく、他に成績を短期間でアップさせるような勉強法も同時に取り入れなければなりません。

ですので、短期間で成績アップするための勉強法については別途お伝えします。

 

ですが、短期間で成績アップする方法は、多くの塾などで推奨している範囲が決まった定期テストなどで記憶力だけに頼ってもある程度即効性があって成績アップができる社会科などで成績アップを狙うものではありません。

その即効性を狙って記憶力を上げるわけではありませんので、お間違いのないようにして下さい。

記憶力を上げる勉強法

では具体的な勉強法をお伝えしていきます。

これは2つの実に簡単な方法からなる勉強法です。

また、15年くらい前から私の教え子(というかこの方法を教えた人たち)が、この方法を成績がアップする方法としてインターネット上で情報として販売もしていましたので、もしかしたら聞いたことがある方法かもしれません。

記憶力を上げる方法、具体的な勉強法その1

1つ目の方法は、本当に拍子抜けするくらいに簡単な勉強法です。

これだけでは勉強と言えないのではないかと思ってしまうほどに簡単なことですから、成果が実感できるようになるまで、つまり記憶力に関しての手応えがつかめるまで必ず続けることを念頭に置いて下さい。

具体的な勉強法は5分で終わり

学校で授業があった日や、学習塾などに通っている人(家庭教師の場合も同じ)は、帰ってから5分間だけ時間をかけて今日やったことを思い出して下さい。

 

たったのこれだけです。

 

塾や家庭教師場合はそのまま今日やったことを思い出せば良いわけですが、学校の授業の場合は次の順に思い出すと良いでしょう。

 

まず、今日は何の授業があったのか?

1限目が何だったか、二限目は何の教科だったのか・・・・・・ということですね。

そして時間割を思い出したら、その中から国語、数学、英語、理科、社会のいわゆる主要5教科だけ授業の内容も思い出してみて下さい。

 

たったこれだけのことなのですが、いざやってみるとあることに気付くと思いますよ。

何に気付くのか?

 

自分が思った以上に授業の内容を覚えていないことに気付くのです。

 

私の場合は授業の内容どころか、その前段階の時間割もすぐに思い出せなくて驚きましたね。

しかし、最初のうちは思い出せないことを気にする必要はありません。徐々に思い出せるようになっていけば良いだけですから。

逆に最初からすぐにしっかりと思い出せるとしたら、今までに記憶力で苦労はしていませんから、そんなこと自体があり得ないことなのです。

ですから、最初は思い出せなくても当たり前と思っておいて下さい。

 

また、思い出す時間も5分以上かける必要はありません。

いかに短時間で多くを思い出せるかがポイントですから5分の間に思い出せるだけ思い出して下さい。

5分という時間もキッチリと計る必要もありません。約5分という感覚で十分です。

 

これはあくまでも記憶力をアップさせる、つまり思い出す力をアップさせるためのトレーニングですから、続けることで多くを思い出せるようになりますし、筋力トレーニングのように最初は軽いものから始めて徐々に重い物も持ち上げられるようになるイメージで徐々に多くを思い出せるようになることを目標にして下さい。

それにしても家に帰ってすぐに思い出すとしたら、授業が終わってから最短の時間で復習をするのと同じなのですが、その時でさえもこれほど忘れているのだなと実感できるだけでも一つの成果です。

 

後は多くを思い出せるようになるまで(あるいは思い出せるようになってもずっと)続けるだけです。

このくらい簡単なことならばできますよね。

 

もちろん、より多くを思い出せるようにするために、授業が終わるたびに授業内容を思い出しておいても構いませんし、むしろそのほうが理想的でもあります。

まずは最低限、その日に授業で習ったことを思い出すことだけはして下さい。

 

たったこれだけのことで、続ければ記憶力が上がるだけでなく、時間はかかってしまいますが確実に成績も上がりますから。

記憶力を上げる方法、具体的な勉強法その2

まず、どんなカードでも構いませんので、1枚のカードを用意して下さい。

カードゲームなどで使うカードでも良いですし、名刺でも構いません。要するに小さな紙きれがあれば良いのです。

 

2つ目は記憶力を鍛えつつ、英単語や漢字を覚える方法になります。

 

英単語や漢字は見て覚えるよりも書いて覚えるほうが良いとされています。

一般的に「五感を使って覚えよう」というものですね。

ただ見るだけで覚えようとするよりも、書いて声に出しながら覚えたほうが手を使い、目で見て、耳でも音を聞きながら覚えられるため、人間の五感に作用して覚えやすくなると言われていますが、基本的にはそれと同じことをすれば良いだけです。

 

ノートや不要なコピー用紙などに覚えたい英単語や漢字などを何度も繰り返して書いていけば良いのですが、通常と1点違うことは、その際に用意したカードを使うということです。

カードをどのように使うのか?

ふつう書いて覚える場合、たとえば「彼ら」という英単語、theyを覚えようとしたら、以下のように何回も繰り返し書いていきますね。

 

they they they they they・・・・・・

 

こんな感じです。

しかし、この場合、単に1度書いたものを書き写しているだけではないですか?

同じ単語を5回書こうと10回書こうと、今書いた英単語が目に入ってしまいますから、ただ単に書き写しているだけですね。

 

この勉強法では記憶力を上げるために重要な思い出すという部分が一切入っていません。

 

それでは、同じようにする場合でも、1回ごとに今書いたものをカードで隠して書いたとしたらどうですか?

theyと書いたら、それをすぐに用意したカードで隠して次に隣にtheyと書きます。

 

they they they they they・・・・・・

 

書き終えた後は先ほどと同じ状態になりますが、このように毎回カードで隠したらどうなりますか?

そうです。5回書いたとしたらその際に最低4回は思い出して書いていますね。

今書いたばかりなので、思い出すという意識はほとんどなく書けると思いますが、目に入ってこないため自然と思い出しながら書くこととなります。

 

これがポイントです。

勉強時間はカードを使っても使わなくてもほとんど変わりません。

ですが、どちらの方法のほうが記憶しやすく、記憶力もアップするかは説明するまでもないですね。

 

このカードを使う勉強法を繰り返すことで、記憶力は飛躍的にアップします。

記憶力を上げる方法 勉強法編

2つの勉強法についての注意点

2つの勉強法は記憶力を上げる方法として非常に強力な方法ですが、それでも記憶力というのか思い出す力がアップしたことが実感できるまでには一定の期間がかかってしまいます。

 

ですので、成果が実感できるまで自分を信じて続けることが大事です。

 

この記憶力という力は非常に困ったことに、成果が表れるのがほとんどの場合、突然なのです。

昨日までぜんぜん思い出せなかった(記憶力がアップしたことが実感できなかった)のに今日になっていきなりすらすら思い出せる! なんかどんどん覚えられるようになった! 覚えることが得意になった! という感じに変わるのです。

 

だからこそ、その実感を感じ取れた時の達成感は素晴らしいのですが、その実感を感じ取れるまでが手応えがほとんどない人が多いため、途中であきらめないことが大事です。

続けても全然実感がない・・・・・・と思っていた次の日には一気に記憶力がアップしているかもしれませんから。

 

大切なことなので言葉を変えて繰り返しますが、ほとんどの人が記憶力を鍛えようとしても、徐々に記憶力が良くなることが実感できません。ですが、ある日突然に記憶力が良くなりますから、あきらめずに続けて下さい。

 

今回お伝えした方法が理にかなっていることはわかりますね。

記憶力とは思い出す力であるならば、思い出す癖を付ければ良いだけです。

その思い出す癖をつけるのに効果的なのが上記の2つの勉強法なのですから。

 

そして、次の注意点は、2つ目の漢字や英単語を覚える勉強法についてです。

漢字や英単語を覚える場合、一般的には今お伝えした通り書いて覚えることが一番良いとされていますが、これはあくまでも一般論であって、人によっては見て覚えたほうが早く正確に覚えられるという人もいます。

 

ですので、何度も書いて覚えるのは面倒だし、見ただけで覚えたほうが早く覚えられるという方は、見て覚えることをそのまま続ければ大丈夫です。

ただ、それに加えて記憶力を鍛えるためのトレーニングとしてカードで隠す方法も取り入れることで記憶力をアップさせるスピードが必ず上がりますから(短期間で記憶力がアップする)今回の方法も合わせて行なって下さい

 

また、漢字や英単語を覚える際に、人によっては教科書の最後のほうのページの単語一覧や英単語の参考書などでAで始まる英単語から順に覚えようとする人もいますが、成績アップも考えたらそれはそれで少し効率が悪いです。

ですので、英単語も漢字も学校で今習っている教科書の範囲からわからない(あるいは書けない)漢字や英単語をチェックして、それを覚えたほうが良いでしょう。

 

教科書を見た時、英語で言えば新しく出てきた英単語は当然覚える必要がありますが、以前に習った英単語でも覚えていないものは覚えて下さい。

その際に、自分が覚えているかどうかの判断基準は5秒以内に意味が思い出せるものは覚えていると判断しても良いでしょう。それ以上に時間がかかるものは覚えていないと判断して覚えなおして下さい。

なぜなら、英会話で単語を思い出すのに5秒以上もかかっていては会話になりませんし、英語のテストでも長文を読むのに知っているはずの英単語を思い出すのに時間がかかりすぎては文章を読む時間がかかりすぎて時間切れになってしまいますから。

 

最後に、今回の2つの方法だけでも成績アップは望めますが、成績アップまでに時間がかかりますので、別途もっと簡単に成績アップする勉強法もお伝えします。

その方法とは、身につけるのに時間のかかる記憶力をあまり使わなくて良い勉強法となります。

 

ですので、まずは記憶力に自信がない状態で短期間に成績アップができる即効性のある勉強法で勉強をするとともに、後々一気に成績を上げるためにも、今回の2つの勉強法を使って記憶力を鍛えていって下さい。

 

重要なことですから、最後にもう1度お伝えします。

記憶力を上げる(アップさせる)ことは難しくありません。むしろ非常に簡単なことです。

ただ単にアップするまでに時間がかかってしまうため難しいと思われているだけのことです。

多くの人たちは難しいと思っているからこそ、あなたの記憶力が上がれば一気に勉強ができる子たちに追いつき追い越せるのですから。

その点を間違うことなく勉強を続けて下さいね。

保護者様へのお願い

今回お伝えした勉強法は非常に簡単で手軽であることはおわかり頂けたことと思います。

ですが、手軽であっても、あるいは手軽であるがゆえに、途中でやることを忘れてしまう子や長続きしない子もいたりしてしまいます。

 

その理由は簡単お手軽なダイエット法を試されたことのある方ならば想像がつくのではないでしょうか。

お手軽故になかなか結果に結びつかず、お手軽だからこそ、そのうちに本当に成果が出るのか心配になることもありますし、ついうっかりやり忘れることもあるのではないでしょうか。

 

ですので、中学生のお子様がこの勉強法を始められましたら、定期的にやっているかどうかの確認をして頂いたほうが良いと思います。

 

ただし、無理強いややらないことの非難はしないで下さい。

大切なのは確認するというよりも励ますイメージで接するということです。

 

「あの勉強法は続けてる?」

の問いかけに「やり忘れていた」という返答であっても、「そう。絶対やったほうがいいと思うよ。あなたならきっと記憶力がすごく伸びると思うから」のように希望を与えてあげて下さい。