お子様のやる気がないと悩まれている方も、そもそも中学生で勉強が好きという子のほうが珍しいことは言うまでもないことですね。

中学生は勉強が嫌いなのが当たり前。

でも、それでも将来のためになんとかもう少しだけでも「やる気」を出して欲しいと思うのが親心でしょう。

 

私は前から漠然と思っていることで、そして最近特に強く感じていることなのですが、中学生のテストがもっと楽しければ良いのにと思います。

中学生のテストが楽しければ良いのに

テストがもし楽しいものになれば、中学生が勉強を好きになるように思うからです。

とは言え、仮に私にどんな画期的なアイデアがあったとしても、私の力で現在の教育を変えることは出来ませんから、あくまでも今日の話は私の日記です。

私の考えに共感して頂く必要はありませんが、こんな話でも何かの役に立てばと思います。

 

ところで、そもそもどうして中学生は勉強が嫌いなんでしょうね。

本来、中学生は勉強が好きであるはずなのでは?

勉強が好きという中学生はあまりいません。

私も数多くの中学生に接してきましたが、今までに勉強が好きと言った子は一人だけです。

 

まあ、私も自己紹介の通り勉強が嫌いでしたからね。

 

そしてうちの三人の子供たちもみな勉強が嫌いでした。

特に長男は筋金入りの勉強嫌いでしたね。

 

でも、よくよく考えてみると中学生は本来勉強が好きでも不思議ではないのでは?

 

人間には本能や煩悩と呼ばれるものがありますね。

その本能などは「欲」という言葉で表わされることもあります。

たとえば「食欲」「睡眠欲」「物欲」「性欲」など。

特に本能にあたるもの(食欲や睡眠欲)は、仮になかったら生きていけません。

 

それと同じように人間には知識欲が必ずあります。

 

自分の知らないことは知りたくなるのが人の本来の姿です。

旅行に行って見たことのない素晴らしい景色を見たいと思うのも。

その旅先でわくわくするような楽しい経験をしたいと思うのも。

本来自分とは他人のはずの芸能人のスクープが気になるのも。

これらすべて知識欲があるからこそですね。

 

とすれば学校は中学生に限らず、自分の知らない新しい知識を教えてくれる場所です。

勉強とは新しい知識を知ることに他ならないわけですから、知識欲がある人間ならば、勉強も好きで楽しいはずではないでしょうか。

 

理屈の上では。

 

ところが、様々な理由から中学生のほとんどは勉強が嫌いになってしまっています。

なので、本来であれば、中学生になる前に勉強を好きになれるように、少なくとも嫌いではない状態にできるように教育を変えないといけないわけですが、それは現実的ではないでしょうね。

中学生にとってはテストで良い成績を取っても嬉しくない?

現状の中学生のテストは中学生にとっては嫌なイベントでしかありません。

テストのために勉強しなきゃいけないと言われるし。

テストの点数が悪ければガッカリだし。もしかしたら親に叱られるかもしれないし。

 

さらに、これは意外とご存知ない事実かもしれませんが、中学生にとって仮にテストで良い点数が取れたとしても、それはたいして嬉しいことではないのです。

 

もちろん、勉強が嫌いな子でも、仮にテストの点数が良かったとしたら嬉しくないわけがないですし、実際に喜びますが、親や教師が思っているほどの喜びや嬉しさは中学生本人は感じていない場合がほとんどです。

 

この点が、中学生の成績アップを妨げる要因になっていることに気付いていない教育者が多いのも問題です。

だから、塾などで勉強を教えてもらって仮に成績が少し上がったとしても、そのやる気というのかモチベーションは続かず、さらなる成績アップができる子は少ないどころか元に戻ってしまったり、そのうちやる気もなくなり塾に行くだけで勉強した気になってしまう子もいるわけです。

 

成績上位の子はそうでない子が多いですが、それでも、成績がそれほど良かったわけではない子が学年順位13位になっても喜ぶどころかプレッシャーに感じた子もいますよ。

その子にとっては嫌いな勉強を親に文句を言われない程度の成績で維持して、なるべく勉強をしないままでいたいというのが一番の希望だったわけです。

なので、13位なんて順位を取ってしまったら親がさらに上を期待することがわかっていますから、しばらくの間はその順位を取ったことを親にかくしていたくらいです。

 

このような子は流石にそれほどいませんが、それでも珍しい存在ではないことは知っておいて下さい。

もし中学生のテストが楽しいものになったとしたら?

でも、もしテスト自体が楽しいものだったとしたらどうでしょうか?

 

仮にテストで良い結果が出れば、ゲームのように

「やったー! ステージ1クリアした! 超嬉しい!!」

「えーっ?! ステージ2ってそんな凄いの? 僕(私)も次はステージ2になりたい!」

的に思えるものだとしたら、そうなるための勉強も楽しく好きになると思いませんか?

 

ゲームってまさにそういう作りになっていますよね。

 

実は私は最近ほんの1ヶ月弱前ですが囲碁を始めました。

ルールも知らないど素人でしたからいまだに囲碁のルールは知らないことのほうが多いです。

そして年齢的にも記憶力もずいぶんと悪くなってきましたし、もともと頭は悪いですから余計に難しいです。

 

でも、囲碁をやるとわからないなりに楽しいんですよ。

 

囲碁にまったく興味もなかったのですが、今では一緒に習っている小学生たちに勝てないまでも、彼らといい勝負ができるくらいには上達したいなと思っています。

だから小難しいルールや定石を覚えたりすることもやる気になるのですが、こういう経験は皆さんありますよね。

 

子供たちでもゲームが好きな子は勉強や読書は嫌いでも、好きなゲームが上手くなるために辞書のような分厚い攻略本を読み込んでいたりします。

その熱意のほんの一部でも勉強に向かないかと思われている方も多いのではないでしょうか。

このようなことが起こるのも、ゲーム自体が楽しいということもありますが、ゲームが上達した際の喜びが大きいというか楽しいからではないですか?

 

だとしたら、中学生の勉強も教え方をもう少し楽しくして欲しいと思うのはもちろんのこと、せめてテストをもっと楽しめるものにして、「テストで良い結果を出したい!」と思えるものにして欲しいと思っているわけです。

そうすれば、そのためにやる勉強も自然とやる気も出てくるはずです。

そしてそのためのアイデアもないわけではないのですが、そんなものは実現できませんから今日お伝えしたいことは次の2点です。

 

  1. 中学生は成績アップしても親が思っているほどには嬉しさを感じていないことを知っておいて下さい
  2. だからこそ、テストで点数だけでなく何らかの成果が出た時には中学生の喜びを大きくするように配慮して下さい

 

この2つです。

2つ目のことができれば、勉強に取り組む姿勢も変わる可能性が高いと思います。

 

親であるあなたがいきなり態度を豹変させるのも不自然ですから、まずは成果が出た部分を(仮に点数や順位自体は下がっていたとしても)褒めて、凄いねと認めてあげることから始めてみてはいかがでしょうか。

 

たとえば、数学で中学1年生の期末テストでは60点だったとして(この時はたぶん文字と式の単元だと思います)、次のテストでは50点になってしまったとしても、次のテスト範囲の単元は1次方程式です。

だとしたら、「凄い! 方程式がこんなに解けているじゃない。方程式は文字と式のところよりも難しいのにこんなにできたって頑張ったね」みたいな感じです。

できれば、もっと具体的にどこがどのように良かったかを褒められればベストではありますが。

 

それにしても中学校は何十年経っても、ぜんぜん変わりませんね。

というか、かえって悪くなったところを探したほうが簡単なような気もします。

 

2020年度の学習指導要領の改訂も的外れで「ゆとり教育」以上の失敗になりそうな気がしてなりません。

なんとかならないものでしょうか。