中学生のお子様のやる気に悩む親御さんは多いですが、中学生に対して理屈で(理詰めで)やる気を引き出そうとされる方が意外と多いです。
しかし、中学生のやる気は理屈だけでは引き出せません。
ここで重要なのは「だけ」では無理ということです。
そもそも中学生の「やる気」に限らず
思い出してみて下さい。
そもそも中学生の「やる気」に限らす、人が何かに対して「その気」になる時というのは、どのような時でしょうか?
たとえば中学生の勉強のように何かをやろうと思う時
あるいは、何かを買おうと思う時
人を好きになる時も同じです。
まず先に感情ありきではないでしょうか。
人は感情で動く生き物ですよね。
しかし、感情のみで動くわけでもありません。
理論的な後押しも必要なのです。
つまり、感情が先にあり、理屈が後押ししてくれた時、最も「やる気」や「その気」になるのではないでしょうか。
別の言葉で言い換えれば、感情が先にあり、理屈が後押ししてくれた時にこそ「やる気」になったことや「その気」になったことに対して行動という形で動き出すのではないですか?
感情を揺さぶることと理屈で後押しすることが重要
中学生の勉強も同じです。
感情を揺さぶることで「やる気」を引き出し、理屈で後押しして行動(実際に勉強に取り組む)へと導くことが基本です。
これはあくまでも「やる気」を引き出す基本形にすぎませんが、あなたが何かを買おうとする時を考えてみて下さい。
あなたが何かを買う時、それが必需品でない限りは、始めに「欲しい」という感情があるのではないですか?
それが高額なものであればあるほど、購入を後押ししてくれる理屈が必要になりますね。
たとえばマイホームを購入するならば、「欲しい」という感情が先で、しかし感情のままには動けませんから、後押しするために「ローンにしたら賃貸よりも月々安い」とか「賃貸と違って後々資産になる」とか「今買っておかないと利息が高くなる。遅くなるごとに払い終わりの年齢が上がる」など自分を納得させるための理屈が来て、そこでやっと購入という行動に移しますね。
中学生の勉強はこれに似ています。
相違点は「欲しい」のように感情がすぐに「やりたい」と揺さぶられてくれないところです。
家は買うかどうかは別にして必需品ですが、勉強も義務教育です。
ですが、家も必需品とはいえ賃貸があるように、勉強も学校にさえ行っておけば違法にはなりません。
なので、勉強は中学生にとっては必需品ではないわけです。
そして、行動を起こすことは嫌いなことをやろうとすることなので仮に「成績を上げたい」と思っても行動にうつしにくいものです。
だからこそ、まず感情的に「勉強ができるようになりたい」と思わせる(自主的に思わせる)ことが第一で、それを後押しするに相応しい理屈が中学生の腹に落ちれば勉強を頑張るという行動に移るわけです。
感情を揺さぶることと理屈のバランスが肝要
ところが、多くの教師や親御さんも理屈で勉強をやらせようとして中学生の反発を買うだけに終わります。
大事なのは感情を揺さぶること。
ただし、感情だけでもダメで感情と理屈のバランスが肝要なのです。
勉強に対するやる気の引き出し方は個人差があるので、基本はあくまでも基本にすぎませんが、どの中学生であっても、何をしたら(何を言えば)感情が揺さぶられるか? 何を伝えれば後押しできる理屈になるか? の内容が違うだけで、おおよその戦略(やる気の喚起から勉強を始めて成績アップまでの順序)はほぼ同じです。
敵を知り己を知れば百選危うからず
この孫子の兵法は中学生のやる気を引き出す場合も同じなのですが、往々にしてどちらも「知る」ことが難しいものです。
子供のやる気がない
と悩む方は、敵(子供)のことで知らない部分が多すぎます。
そして己(この場合は親だけでなく教師も)も知らないというよりも敵にどう見えているかがわかっていない場合が多いのではないでしょうか。
今回はかなり抽象的な話ですが、今後重要になりますので、上記のことを是非1度考えてみて下さい。